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言語障害

言葉がおかしい

ひとくちに言葉がおかしいといってもいろいろな場合があります。たとえば、幼児の言葉が遅れている場合、話をしても発音がはっきりせず何を話しているかわからない場合、吃音、大声を出したり、風邪を引いた後に声が嗄れたりなどです。広い意味で言葉というと何を意味しているか曖昧になります。物を考える道具としての内言語(language)、子コミュニケーションの道具としての音声(話し言葉)を分けて考える必要があります。また、話し言葉は声帯でブーという200Hz前後の喉頭原音をのど、口腔、舌、鼻腔で共鳴させたり破裂させたりして母音や子音に合成しています。声帯で喉頭原音を出すことを発声、その音を合成することを構音といいます。声が嗄れるのは発声障害、サ行やカ行が出ないのは構音障害といいます。幼児の言葉が遅れているのは言語障害、音声のリズムの問題が吃音です。

言語障害の原因
聴覚障害
◆対人関係の障害(広汎性発達障害)
◆知的発達の障害
言語発達に限定された特異的障害
 (発達性小児失語、特異的言語発達遅滞症候群)
◆不適切な言語環境(母子関係)
構音障害

言葉を話すためにはまず聴覚によって音の存在に気づくこと、音に種類があること、人の音声に意味があることに気づくこと、人の発する音声を言語として理解 すること、聞いて言葉を模倣して言葉を覚えます。話しをするには内容を考え胸郭を動かし声帯から発声させ、舌、下額などを動かして構音するという運動をコ ントロールしなければなりません。どの部位に障害があっても言葉は遅れます。聴覚に障害があると音が聞こえず人の声に意味があることに気づきません。通常 の会話は60dBくらいの音ですから60dB以上の難聴の子供は補聴器をつけない限りは言語の発達は起こりません。また、30dB程度の軽度難聴でも健聴 児に比較すると語彙数が少なくなるといわれています。その他、聴力正常でも人や言葉に対して興味がない状態(自閉症などの広汎性発達障害)、言葉の意味が 理解できない知的な障害、聴力正常、対人関係の障害や知的障害もないのに言語発達だけが遅れるが予後良好な特異的言語発達障害症候群があります。どのよう な状態でも保護者特に母親からあやしたり話しかけたりの言語の暴露がなければ言葉は遅れますし、口蓋裂などで構音できない場合も遅れます。

言語発達に限定された特異的障害

発達性小児失語、特異的言語発達遅滞症候群
知能、運動、情緒、聴力に著しい発達の遅れがないにもかかわらず言語発達のみが特異的に遅れ原因不明の物

言語発達に限定された特異的障害
乳幼児期の母親その代理人の欠如
◆障害児出産に伴う両親の不安
◆両親の心身障害

心理的外傷の体験 虐待

乳幼児期の母親その代理人の欠如によって充分な養育がなかった場合、情緒発達が遅れ、人へのかかわり外界への働きかけが低下して言葉も遅れます。幼児期に親族や施設に引き取られた子供に言葉の発育が遅れることは多く認められます。

障害児出産に伴う両親の不安は口蓋裂、小耳症等先天奇形を伴う子供が生まれると両親の心理的ショック、子供の将来の不安から子供をあやしたり戸外に連れ出すことが少なくなり母子の情緒関係が深まらず言葉の発達が遅れます。

両親の心身障害両親が聾や精神発達遅滞の場合も子供への話しかけや一緒に遊ぶことが少なくなり言葉が遅れます。

心理的外傷の体験、虐待を受けることなどです。

言語学習能力と環境
言語学習能力と環境

言語学習能力をバケツにたとえると健聴児は言語刺激という雨を十分に受け入れる大きな開口部(聴力)をもち、受けた雨水(言語刺激)をため込む十分な容積 (知的発達)をもっており言語を学習していきます。難聴者は知的に問題なくとも間口(聴力)が小さく雨水がたまらず言語が発達していきません。知的な障害 がある精神発達遅滞児では言語を理解することができず発達が遅れます。母子関係の障害などでは雨(言語刺激)が少なくなります。
このようにたとえると言語発達と環境について理解し易いと思います。

発声障害

次に発声障害について述べます。発声とは閉鎖した声帯が気管内圧によって受動的に開閉運動を行うときに振動して音を作ります。
この音を喉頭原音といい、成人男性170Hz、成人女性200Hz、子供300Hzくらいのブーといった音です。
喉頭原音の障害を発声障害といいます。
病気としては、声帯ポリープ、喉頭癌、喉頭炎、声帯を動かす神経の麻痺である反回神経麻痺などです。

発声障害

次に発声障害について述べます。発声とは閉鎖した声帯が気管内圧によって受動的に開閉運動を行うときに振動して音を作ります。
この音を喉頭原音といい、成人男性170Hz、成人女性200Hz、子供300Hzくらいのブーといった音です。
喉頭原音の障害を発声障害といいます。
病気としては、声帯ポリープ、喉頭癌、喉頭炎、声帯を動かす神経の麻痺である反回神経麻痺などです。

学童嗄声(小児声帯結節)

発声障害のうち子供に見られるのはほとんどが学童さ声です。大声を出す小学生の男児に多く声帯の発生時にもっとも振動する部分が肥厚して声が嗄れる物です。
卑近な例でたとえますと、靴擦れしますとまめができ、つぶれるとたこになって硬くなってしまいますが、声帯にたこができたような状態です。

声帯乳頭腫
◆男児に多い
◆1~5歳に好発
◆ウィルス感染
◆思春期に自然治癒
レーザー治療
◆放射線は無効
成人の乳頭腫は悪性

非常にまれですが、1~5歳の男児に起こるウイルス性の乳頭腫があります。大人の声帯乳頭腫はまず喉頭癌の前兆で放置することのできない疾患ですが小児の声帯乳頭腫は思春期に自然治癒する病気です。

構造障害1
◆話す言葉は声帯から出た喉頭原音が咽喉頭、鼻腔、口腔などの共鳴腔で合成されてできる
◆これを構音という
◆話せない音が単語の語頭、語尾、単音節にかかわらず省略、置換されるものを構音障害
◆一部でも発音できるものは発音の誤り

話す言葉は声帯から出た喉頭原音が咽喉頭、鼻腔、口腔などの共鳴腔で合成されてできます。これを構音といいます。話せない音が単語の語頭、語尾、単音節にかかわらず省略、置換される物を構音障害といいます。
一部でも発音できる物はただの発音の誤り、言い間違いです。

構造障害2
◆2歳までにパ行、カ行
◆4歳までにタ行、シャ行
◆7歳までにサ行、ザ行が出れば正常
◆パ、カ、タ行が出ていればほかの音は自然に出てくる
◆言語治療は4歳以降に開始
◆10歳までに治療すれば予後良好
◆母親に日常生活で指摘したり絵カードで練習させたりしないよう指導
◆どもったり引っ込み思案になる

構音の発達は2歳までにパ行、カ行が、4歳までにタ行、シャ行が、7歳までにサ行、ザ行が出れば正常です。
年齢で当然できるはずの構音ができない場合を構音障害といいます。
構音障害とはたとえばカ行音ならかめがあめ、こいがおいなどカ行音のkがすべて他の子音に置き換わったり省略される場合をいいます。
かめがあめでもこいがこいと正しく発音できる場合はたんなる発音の誤りで作文や本の音読の指導で直ります。
原田君がはだら君になるとか、らくだがだくらになるとか露天風呂がどてん風呂になるとかも構音障害でなく発音の誤りです。最も多い相談はさるがちゃるにな る、ぞうがどうになるなどのサ行音とザ行音が話せないということですが6歳の小学生ならいえなくても異常ありません。7歳までまって治らないときに構音訓 練を開始すればよいのです。しかしながら小学校就学後は構音訓練にくる時間的余裕が無くなることと言葉が原因でいじめられたりからかわれたりなどする可能 性がありますので6歳でも就学前に構音訓練を開始しています。
また、サ行がおかしいといってこられても消防車がちょうぼうちゃになるというシャ行の異常のことが多くこの場合は5歳頃に治療します。
家庭での注意は子供がどもったり引っ込み思案になる恐れがありますので母親に日常生活で指摘したり絵カードで練習させたりしないよう説明します。
10歳以降は悪習慣が固定して治りにくくなりますが、10歳までに治療を開始すればよく治ります。

構音障害の原因
◆鼻咽腔閉鎖機能不全
→口蓋裂
→粘膜下口蓋裂
→先天性鼻咽腔閉鎖機能不全

軟口蓋が鼻腔と口腔の交通を遮断する働きを鼻咽腔閉鎖機能と呼びます。鼻咽腔閉鎖機能不全の代表的な物は口蓋裂です。ミルクが鼻から漏れたり、口腔内圧を高めることができずパとかダのような破裂音やサ行ザ行などの摩擦音が他の音に置換されたり省略されたりします。これを口蓋裂構音音声と呼びます。代表的な異常な構音としてカが奥舌でなく喉で出る咽頭破裂音、サ行が舌の側面と歯茎の間で構音される側音化構音などがあります。粘膜下口蓋裂は口蓋の筋肉が断裂していて粘膜だけつながっています。口蓋垂が二つに割れる口蓋垂裂、硬口蓋の骨欠損があります。口蓋に筋層がなく粘膜だけですのでペンライトで鼻の穴を照らしますと口蓋から光が透けて見えます。

口蓋の器質的な異常がないのに鼻咽腔閉鎖機能が悪い物があり先天性鼻咽腔閉鎖機能不全といわれています。
舌小帯短縮はサ、タ、ラなど舌の先で構音する音が不明瞭になったりカ行に置き換えられたりします。下口唇より前に舌が出れば手術する必要はありません。舌小帯を過剰に切ると舌根が沈下しやすいといわれています。
これらは手術で治す場合もあります。

構音訓練
◆発達年齢が4歳になれば指導者の言葉を理解でき構音訓練に集中できる
◆練習で正しく構音できても日常会話ではできないこともあるが、誤りを訂正しない
◆構音訓練する音の順番
◆パ行音→カ行音→タ行音→シャ行音

構音訓練は指導者の言葉を理解でき構音訓練に集中できる年齢になる頃からできます。発達年齢で4歳相当です。
練習で正しく構音できても日常会話ではできないこともあるが誤りを訂正しないことが大事です。
構音訓練する音の順番は自然な発達で構音できてくる音の順番に沿って行います。
最初、パ行音次にカ行音、次に、タ行音か、シャ行音です。構音できる音は飛ばして次のできない音から開始します。

パ行音の構音

パ行音は両唇破裂音といって口唇を閉じ口にためた呼気を出すときに口唇をはじいて出す音です。
まず、ろうそく吹き、ストローのぶくぶくで呼気の練習をします。次に、ささやき声のプーを練習、指で口唇を上から下へはじき口唇をふるわせる練習をします。
次に、膨らませた頬を瞬間的に強く押しためた呼気を破裂させる練習をしてささやき声のプをだします。
ささやき声のプーの後に母音ウをつけてプーを誘導します。それができたらその他の母音ア、オ、エなどをくっつけていきます。
音節から単語、文章朗読の順に徐々にできるように練習します。

ろうそく吹き

ろうそく吹き

ささやき声のプーを発生中に指で口唇を上から下へはじき口唇をふるわせる練習
膨らませた頬を瞬間的に強く押しためた呼気を破裂させる練習です。

両唇破裂音の構音
両唇破裂音の構音

両唇破裂音とは上下の口唇の破裂によって出す音で無声子音がパ行、有声子音がバ行です。

カ行音の構音

カ行音は軟口蓋破裂音といって舌の奥が上がり軟口蓋と接触してできる音です。
カ行音の構音障害として舌が上がらす喉の奥で発音する咽頭破裂音があります。
構音訓練は舌の奥の挙上のために仰向けで口に水を含みうがいの練習しンーの構音を誘導します。
その後ンーガーの練習からンガーを導き最後にガを誘導します。
そして、ささやき声のガの後にハー、ガーハーの感覚を短くしてカーにします。

カ行の訓練

カ行の訓練

舌の奥の挙上のために仰向けで口に水を含みうがいの練習をし、ンーの構音を誘導します。

軟口蓋破裂音の構音
軟口蓋破裂音の構音

カ行音は舌の奥と軟口蓋の接触面で音が破裂する軟口蓋破裂音です。無声子音がカ行音、有声子音がガ行音です。

タ行音の構音

タ行音は、歯茎破裂音といって上の歯に舌先をつけてはじく音です。
まず、緊張をとって舌を平らにするため舌を口唇ではさんでマンマンという練習をします。
この状態でささやき声のパを構音するとパとタの中間の音がでます。
口唇に挟んだ舌を急に引っ込めるとタがでます。

タ行の訓練

タ行の訓練

緊張をとって舌を平らにするため舌を口唇ではさんでマンマンという練習です。

歯茎破裂音の構音
歯茎破裂音の構音

タ行音は、歯茎破裂音といって上の歯に舌先をつけてはじく音です。無声子音がタ行音、有声子音がダ行音です。

シャ(∫)行音の構音

シャ行音は歯茎摩擦音といって舌と口蓋の間から呼気を強く出す摩擦性の音です。通常は4歳までに構音可能です。
まず、通常は誰でも必ず構音できるささやき声のヒーを構音させ同時に耳元でシーを聞かせささやき声のシーを誘導します。
ささやき声のシーの後に母音のイをつけてシをだします。同様にしてシィ、シャ、シュ、ショを誘導します。

シャ(∫)行音の構音

シャ行の訓練

ささやき声のヒーを構音させ同時に耳元でシーを聞かせささやき声のシーを誘導します。

サ行音の構音

7歳になってもサ、ス、セ、ソが出ないと構音指導をします。
舌を平らに突き出し両口唇ではさみ、ささやき声のフーと言わせるとスーに近い英語の発音記号のθがでます。
舌を次第に引っ込めてささやき声のスーを誘導します。
次にささやき声のスーの後に母音のウーをつけてスをだし、同様にサ、ソ、セを誘導します。

吃音
話のリズムの障害
連発型(オオオオオカーサン)

引き伸ばし型(オーカーサン)

難発型:ぐっとつまって次の音が出ない
3~4歳で発症し7~8歳で自然治癒
残りも成人になるまでほとんど治癒

吃音は連発型、引き延ばし型、難発型などがあります。3~4歳で発症し7~8歳で自然治癒し残りも成人になるまでほとんど治癒するのですが、治りにくい場合もありますので自己判断せずご相談ください。

サ行音の構音
◆子供に自信をつけさせる(スポーツ、趣味)
◆吃音が減少する場面を探す
◆斉読(朗読時、教師他の生徒がささやき声で一緒に朗読)
◆教室、家庭の雰囲気を明るくする
◆吃音を肯定する
◆話し方を意識させると悪化する
 →「ゆっくり」とか「落ち着いて」はだめ

吃音での注意事項は子供にスポーツや趣味などで自信をつけさせること。
吃音が減少する場面を探すこと。
斉読といって朗読時、教師他の生徒がささやき声で一緒に朗読こと。
教室、家庭の雰囲気を明るくし吃音を肯定することです。
話し方を意識させると悪化しますので「ゆっくり」とか「落ち着いて」はだめです。

5~6歳まで続くサ行の構音障害

サ行は7歳までに出ればよいが就学後はからかわれる場合があることや言語治療に通院する時間がとりにくくなるので就学前5歳半頃に構音指導を開始します。

サ行の不明瞭を主訴に来院してもシャ行の場合がある。シャ行は通常4歳までに出る音なのではやめに構音指導します。

5~6歳まで続くラ行の構音障害

ラ行音の不明瞭で原田(はらだ)君がはだら君になったり露店風呂(ろてんぶろ)がどてんぶろになったりする相談も多くありますが、音の順番が逆転している発音の間違いであって言い直しさせれば正しく構音できる場合は構音障害ではありません。すべての単語の中で特定の音節が省略や置換されている場合を構音障害といいます。本の読み聞かせ、本読みが有効です。本読みは子供がじっとしている夜寝る前に、あきてしまわない程度に短編でストーリーのある物がお勧めです。子供に本をめくらせると読まずに終わってしまうので子供にめくらせないようにします。